船を編む
2015-11-03


禺画像]
2年前の映画ですが、小説が原作の「船を編む」という日本映画を最近観ました。出版会社に勤める青年が国語辞典の刊行計画に関わるストーリーです。

 当然ですが日本語が題材になっていて、なかなか興味深くおもしろい映画でした。
 あまり話すと、レンタルやネットで観てみようかという人にネタばれになってしまうので内容紹介はある程度にします。

 まず、主人公の名前が傑作です。
その彼が辞典刊行のメンバーに抜擢されるきっかけが「『右』を説明してみて」に対する回答でした。
 ストーリーの中では、ら抜き言葉や用語の誤用、マジ、ダサい、ウザイなどの若者言葉も出てきます。
 今年、「火花」で某文学賞を受賞したあのお笑いタレントも一瞬出てきます。どこに出てくるか探してみてください。

 時代背景が1996年頃なので、携帯電話やパソコンなどがまだ普及する前の時代です。ワープロ、ファックス、黒電話(いずれももう死語になりつつありますね)の頃です。アナログ世代で当時を知る私も観ていてなつかしい感じを持ちました。
 そうそう、映画にはラブレターもストーリーを印象づけるものとして出てきます。

 新規に辞典を出版するとなると通常数年から10年以上もかかるそうです。映画の中でも年月が流れるにつれデジタルの波がやってきて携帯電話、電子辞書、パソコンが出てきます。
そんな中で、本当に紙の辞典が必要なのか?も映画の中で語られます。

 現実はしっかり紙の辞典、辞書は今でも存続していますが、私の学生時代、紙の英和、和英辞書や国語辞典をペラペラめくって単語を探していた頃、その行為は正直面倒に感じていました。
 
 現在、電子辞書やネットで不明点を検索するようになるとその手間の簡単さ、知るまでの速度が段違いに速くもう紙には戻れません。
 さらに最近は音声入力でも検索してくれるので楽チンこの上なしです。

 ただ、記憶の定着で言えば、調べるのに手間をかけるほど頭に残るような気がします。紙上の文字を指でなぞって読むという行為が記憶の手助けにもなるということを聞いたことがありますのであながち間違いではないと思います。
 本の紙の香りが好きという人もいますし、やはり紙の書物は不滅でしょう。

 辞典を「言葉」の海を渡る船になぞらえているこの映画、一度観てみてください。
ばってんT村でした。
[日本語]

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