木造建築物に懐かしさを感じるのは懐古の情だけではなく、昭和世代で生まれ育った環境でなじみがあるからだと思います。
故郷の実家は大工だった母方の祖父と叔父が建てたものです。
小さい頃、目の前で徐々に木々の一本一本が組み立てられて家の形になっていく過程を珍し気に眺めていた記憶があります。
両親の祖父母の家は土間にかまどがあって薪で煮炊きしていた時代、そういえば火鉢もありました。
小学校の校舎も田舎の国鉄(今のJR)の駅舎も木造の時代でした。
と言うようなことを思い出したのは、前回のブログで話題にした落語の会場が、歴史ある木造建築の屋敷内だったからです。
滋賀県守山市赤野井町の大庄屋諏訪家(おおじょうやすわけ)屋敷というところで、近くにありながら存在を初めて知りました。
土間にパイプ椅子を並べ、座敷に高座をつくって会場とされていました。
ここは一般公開されているので屋敷や庭の見学ができます。
日本遺産の看板にあった説明の冒頭をそのまま書くと
「近世に大庄屋として活躍した諏訪家の屋敷。古くから琵琶湖に向かう水路網が発達しており、屋敷内には舟入が残り、水運盛んな往時の姿を今にとどめています。」
諏訪家という名から信州がルーツだったとの説もあります。
屋根は葦(よし)葺きとスタッフの方が言われていました。琵琶湖を抱える滋賀県らしい。
琵琶湖から川を伝って舟で茶室下へ。今は水路の跡だけだが、ここに舟が着いていた。
茶室 大津の円満院から移設された江戸時代のものとされる
場所は変わって、紅葉シーズンに見学に行ってきたのが京都の下賀茂神社近くにある旧三井家下鴨別邸です。
豪商で財閥だった三井家の別邸で、期間限定で2階、3階が特別公開されていました。
元々、明治13年に木屋町に建てられた主屋が移築され、玄関棟はこの敷地内に増設されたものです。
この屋敷が見どころ満載で、まず広くて迷子になりそうでした。
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